数は、否定されながら拡張されてきた── 虚数が受け入れられるまで
数の歴史は、拡張の歴史だ。そして、その拡張はいつも抵抗を受けてきた。
順に並べると、構造が見えてくる。
自然数から、負の数まで
最初は自然数から始まった。物を数えるための数で、実感と直結している。
次に有理数。三分の一のような、分けた数が加わる。ここまでは、まだ現実の量に対応している。
そして無理数。ルート二のような、分数で表せない数が現れる。既存の体系では書ききれない数が出てきた地点になる。
負の数が一般に受け入れられたのは、十七世紀とされる。マイナスの量とは何かという問いに、長く答えが出なかった。
── そして虚数
二乗してマイナス一になる数。定義としては単純だが、対応する量が現実に存在しないし、何より直感に反する。だから、想像上の数という名で呼ばれることになった。当初は、便宜的な記号としてしか扱われていない。
共通しているのは、記述が閉じなかったことだ
この拡張史には、一貫した形がある。既存の数体系では書けない事態が現れる。その事態を表現するために、新しい種類の数が要請される。
そして毎回、最初は受け入れられず、否定されることから始まる。実在しないもの、想像上のものとして扱われる時期を経ている。
だが、その数を認めると、それまで解けなかった問題が解けるようになり、便宜上使い続けることになる。その結果、有用性が積み上がった結果、正式な数として定着する。
── 拡張虚数理論も、この系譜に接続している
数直線から複素平面へ、という拡張は、Z = D + iD という定式や、T = t + it という複素的時間の構造に対応している。
そして複素平面と瞑想の関係も、この延長にある。実次元を観測可能意識、虚次元を潜在的意識として仮に設定し、回転角θを自己の深度として扱う。
新しい記述が最初に否定されるのは、対応する実感がないからだ。実感がないものを、人は存在しないものとして扱う。
だが数の歴史が示しているのは、実感の有無と、記述としての必要性は別だということ。直感とずれることにいかに価値があるか。数字の歴史はそれを人が受け入れてきた歴史でもある。
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