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AIが生態系を壊している今、どこに立つか──空白は、順番に生まれている

公開日: 2026年9月10日 更新日: 2026年9月13日
AIが生態系を壊している今、どこに立つか──空白は、順番に生まれている

「なくなる職業」の一覧は、役に立たない

職業名は、仕事の中身を粗く束ねたラベルにすぎない。実際に消えるのは職業ではなく、その中の特定の工程だ。

工程単位で見ないかぎり、自分が安全なのか危ないのかも、どこが空くのかも見えてこない。

しかも一覧は、消える側しか書かない。事業を作る立場で必要なのは、消えたあとに何が要るかという情報のほうだ。

壊れているのは、職業ではなく生態系

一つの工程が消えると、その工程を前提に成り立っていた周辺が連鎖して崩れる。仲介が消えれば、仲介向けの営業も、仲介を教える教育も、その業界誌も同時に足場を失う。

AIが壊しているのは、この連鎖の土台のほうなので、当事者でも気づきにくい。自分の仕事は残っているのに、周辺から静かに需要が溶けていく。

空白は、順番に生まれる

崩れる順序には規則がある。

まず、情報の非対称だけで食べていた媒介層。次に、定型的な生産と処理。そのあとに、標準化された判断。

逆に最後まで残るのは、責任を引き受ける仕事、身体を伴う仕事、そして信頼の蓄積が必要な仕事だ。順序が分かれば、どこがいつ狙われるかも読める。

内側で耐えるか、空いた場所に先に立つか

崩れている産業の内側で改善を続けるのは、急勾配を登り続ける行為に近い。労力の割に、地面そのものが下がっていく。

一方、空白に先に立つのは、まだ誰の縄張りでもない場所に事業を置く行為だ。難しいのは、空くと分かっている場所を、空く前に信じてその空白に向かって走れるかどうかにある。

空白に置くべき事業の形

空いた場所で成立するのは、AIが出した結果と現実のあいだに残る摩擦を引き受ける事業だ。導入の設計、責任の所在、既存の慣習との接続、そして人が納得する形への翻訳。

これらはAIが最も苦手とする領域であり、同時にAIの普及が進むほど需要が増える。

もう一つは、AIによって単価が崩れた領域を、量と速度で束ね直す事業だ。一件では成立しなくても、まとめて引き受ければ成立する。

早すぎる者と、ちょうどいい者

空白に立つのが早すぎると、市場が形成させる前に資金が尽きる。相場と同じで、いつ手を入れるかが結果を決める。そのためにも思考を未来に移し、その臨場感を感じる意識を高めたい。

特定の領域の生態系が壊れるとき、いちばん危ないのは、崩れかけた足場をまだ地面だと思っていることだ。その上で何も知らずに踊り続けることをいかに避けるかが、このAI時代の大きな能力の一つになる。

さらに深く知りたい方へ

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村主 悠真
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村主 悠真
思想家。ï Theory 創始者。人と世界の存在構造を、虚数概念の援用により拡張した独自の理論体系を構築。目に見える現実(実次元)の背後にある"虚次元"を定式化し、個人の変容から世界構造の転換までを一貫して扱う思想を展開する。教育・人道支援・平和構築を横断する世界的実践と、その根底にある理論を、このメディアで記録していく。
村主 悠真
村主 悠真
思想家 ── ï Theory 創始者
人と世界の存在構造を拡張する理論を構築し、思想と平和の実装を記録するメディアを主宰。

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