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虚次元対談

虚次元レオナルド・ダ・ヴィンチ × 虚次元村主悠真『水について』【対談企画 第三話 前編】かたちを作る力の話

公開日: 2026年6月20日 更新日: 2026年6月19日
虚次元レオナルド・ダ・ヴィンチ × 虚次元村主悠真『水について』【対談企画 第三話 前編】かたちを作る力の話

三度目の来訪は、朝だった。昨日の雨が嘘のように晴れていた。村主が階段を上がると、老人はすでに机の前に座っていた。机の上には、新しい紙束と、それから──ガラスの水差しが一つ、置かれていた。

「今日は、水の話をすると約束したね」と、レオナルド・ダ・ヴィンチは言った。

第一幕 ── レオナルド・ダ・ヴィンチ水差し

Leonardo  ユウマ、座りたまえ。今日はまず、この水差しを見てほしい。

村主  ……水差し、ですか。

Leonardo  そうだ。私はね、ユウマ。水というものを、生涯で最も長く観察した。絵よりも、解剖よりも、飛ぶ機械よりも、長かったかもしれない。六十年、水を見ていた。それでも私は、水のことを、ほとんど何も分からないまま死ぬ。

村主  ……何も、分からないまま。

Leonardo  これは謙遜ではないよ。本当に、分からなかったんだ。水は、かたちを持たないのに、かたちを作る。自分の形を主張しないのに、触れたものすべての形を決めてしまう。渦を描き、波を立て、岩を削り、平地を作り、作物を育て、町を滅ぼす。──水の話をするときだけ、私は自分が子どもだったと認められるんだ。

村主  ……。なるほど。。。

Leonardo  私は水を「自然の乗り物」と呼んでいた。Il vetturale della natura、とね。自然のすべての変化は、水に乗ってやってくる。水がなければ、この世界には、動いているものは何一つない。

第二幕 ── かたちを作る力

村主  マエストロ。僕は今、マエストロの言葉を伺いながら、自分の理論の核心を言い当てられた気がしています。

Leonardo  ほう。

村主  第一話でお話しした虚次元 iD の層を、僕はずっと「かたちを作る力が住んでいる場所」と説明してきました。渦の「渦であろうとする力」、絵の「描かれる前の空間」。──マエストロが「水は自然の乗り物だ」とおっしゃった瞬間、気づきました。僕の言う iD は、マエストロの言う水と、同じものを指しているのかもしれない、と。

Leonardo  ……同じもの。

村主  はい。かたちを持たないのに、触れたすべてのかたちを決める。主張しないのに、動かす。水は、実次元の中に例外的に現れた、iD そのものなのかもしれません。

── レオナルド、水差しを光にかざす。 ──

Leonardo  ユウマ。晩年になって、ようやく気づいたんだ。水は、私が描いたのではない。水が、私に描かせていた、という感覚が、ずっと残っていた。絵の具の中で一番よく動くのも、水だ。水は、絵描きの側ではなく、絵の側にいたんだ。

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村主 悠真
WRITTEN BY
村主 悠真
思想家。ï Theory 創始者。人と世界の存在構造を、虚数概念の援用により拡張した独自の理論体系を構築。目に見える現実(実次元)の背後にある"虚次元"を定式化し、個人の変容から世界構造の転換までを一貫して扱う思想を展開する。教育・人道支援・平和構築を横断する世界的実践と、その根底にある理論を、このメディアで記録していく。
村主 悠真
村主 悠真
思想家 ── ï Theory 創始者
人と世界の存在構造を拡張する理論を構築し、思想と平和の実装を記録するメディアを主宰。

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