AIがもたらす、個人が最も巨大化する時代── AIに負けない能力を探すのをやめた理由
自分しか使わないアプリを、毎日作る
検索を代替したり、困った時の便利ツールだった時代を一瞬で更新し、今はAIで簡単にアプリが作れるようになった。それは売るためのアプリではない。ストアに置く気もない。使うのは、基本的に自分や仲間や家族だけだ。
これまで、みんなある程度妥協してアプリを使ってきたと思う。もっとこういうUIがいい、ここはこう動いてほしい。そう思っても、個人の好みが反映されたそんなものはどこにも存在しなかった。
だったら自分で作ればいい。それが普通にできてしまう時代がきた。
AIに負けない能力を、探さない
AIは信じられない速度で広がっている。AI関連の会社をやっている人たちでさえ、もう追いきれていないと言う。
そうなると、人間の能力と定義されてきたものが、どんどんコモディティ化していく。価値ではなくなっていく。
ここで多くの人は、AIに負けない能力を身につけようとする。だがそれは本当に可能なのか。
少しずつその島の面積は加速度的に狭くなり続けるが、AIが普及すればするほど価値が上がる側に居続ける。奪われないものを探すのではなく、広がるほど効く側に回る。向きが、まるごと逆になる。
仏を彫ることと、サッカーと
村主が仏を彫っているのも、一つはそういう理由だ。サッカーのプロジェクトを始めたのも、まさにそこにある。
一見つながらない二つは、同じ一つの前提から出ている。人間の部分と、AIの部分。どちらか一方ではなく、この両方に張っていく。これからは、それが一番大事なことになるのだろうと思っている。
「AIに相談します」は、もう古い
AIが使えることは、当たり前になっていく。いまで言えば、携帯が使えるという程度の話に近づく。ただ、AIに相談します、という段階はもう全然古い。どう使いこなすかが、そのまま人間の差として現実空間に表出する。
一人でできなかったのは、環境が整ってなかっただけ
AIの講座でプロンプトの扱いを覚える。そういう話は、とっくに終わった。
いま立てるべき問いは別にある。一人ではできなかったこと、その多くは、仲間がいなかったり、自分の能力が足りなかったり、タイミングが合わなかったり。
ただここまでのレベルのAIが到来してしまった時点で景色は変わる。
一人で研究する。一人で起業する。一人で映画を作る。一人でアプリケーションを作る。どれも以前なら人数が必要だった。いまは、そうではない。
個人を、最も巨大化できる時代
大企業がAIを持つことで、圧倒的に強くなっていく方向はもちろんある。
だが逆に、これまでとは違う形で、個人を最も巨大化できる時代でもある。
ツールとして使うのではなく、自分の骨格として組み込む。そちら側に行くかどうかで、数年後の位置はまるで変わる。
まずはアプリのように分かりやすい小さな変化や便利さへの探求から始めて、そのスケールを拡大し、プロジェクトや会社まで拡張していけたら面白い。今までできないと思って諦めていたことに気付き、自分で作れるものに意識を持てるかどうかが大きな分岐になる。
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