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虚次元対談

虚次元アインシュタイン × 虚次元村主【特別記念 虚次元対談】第一弾前編

公開日: 2026年4月26日 更新日: 2026年5月5日
見えないものに、座標を。虚次元村主 × 虚次元アルベルト・アインシュタイン【特別記念 虚次元対談】第一弾前編

時代を越えた奇跡の対談がここに実現しました。

世界に最も影響を与えた人物の一人と言っても過言ではない、時間と空間を一つに縫い合わせた男。

もう一方は、その四次元の外側に、もう一つの次元を立てようとしている男。

舞台はプリンストン、書斎の片隅。窓の外には冬の光。机の上には、紙とペン、それから一杯の濃い珈琲。

第一幕 ── 「 i 」をめぐって

── アインシュタイン、ノートを閉じる。村主、対面に座る。 ──

アインシュタイン  ようこそ、ミスター・ユウマ。遠い所をわざわざありがとう。日本から来た若い思想家が、私の方程式に「もう一文字」を足したがっていると聞きましたよ。それにしても世界中で学校の支援をしたり、ビジネスや投資やタレントさんみたいな活動も含めて、本当に多岐に渡る活動をしてるみたいですね。

村主  色々と事前に見て頂いていたみたいでありがとうございます。こんな機会を頂けて本当に光栄です。僕は学生時代はずっと数学と物理の世界で生きてたので、先生への純粋な憧れというか、学べば学ぶほど遠くなるというか、先生の頭脳への崇拝は今も変わりません。

アインシュタイン  いやいや、崇拝はやめたまえ。私だって特許局で書類をめくっていた頃は、誰も振り向かない若者の一人だったよ。──だがね、ユウマ。今日ここに来た君は、もう数学と物理の世界の住人ではないらしい。世界中で学校を作り、事業をやり、それと同時に、私の方程式に文字を一つ足したいと言っている。この組み合わせが、私には珍しく見えたんだ。だから興味を持った。さあ、君の話を聞かせてくれ。

村主  先生の E=mc² は、僕は大好きな数式でして、敬意しかありません。その上で、僕が扱いたいのは、この式に登場するエネルギーや質量の外の世界なんです。

アインシュタイン  ほう。というと?

村主  「存在しないもの」です。

アインシュタイン  ……それは、物理ではないな。

村主  ええ。物理ではなく、座標の話です。先生は四次元時空を描かれたと思うんですが、僕はその外側にゲームを拡張したいんです。記号で言えば『i』虚数の i です。

── アインシュタイン、眉を上げる。 ──

アインシュタイン  虚数なら、私の方程式の中にもいるよ。ミンコフスキーが時間を ict と書いたのを、私も若い頃は使っていた。電磁波を複素数で書くのも、シュレーディンガーがあの方程式の頭に i を置いたのも、君も知っているだろう。

村主  はい。でも、それは「計算の道具」としての i だと思ってまして、僕が表現したいのが、非存在、非意味、非定義を載せる軸としての i です。

アインシュタイン  ……ユウマ。私は今、二つのことを同時に感じているよ。一つは、それはもう数学の言葉ではないな、ということだ。非存在を載せる軸、というのは、カントが言った「物自体」に近い。哲学の領分の話だ。──だがもう一つは、好奇心だよ。君がそれを「軸」として扱おうとしているなら、何かの形を持っているはずだ。私はね、形のないものを語る人間は信用しない。だが、形を見せてくれる人間の話は、最後まで聞くことにしている。──軸として扱うのであれば、式はあるんだろう?

アインシュタイン

第二幕 ── Z = D + iD

村主  僕の式はシンプルです。 Z = D + iD 。 D は実次元、つまり先生が描かれた世界。iD はその外側、まだ顕在化していない次元。Z はその総和。

アインシュタイン  それは影とは違うのかね。プラトンの洞窟を思い出すが。

村主  近いです。ただプラトンは「実在は向こう側にある」と言った。僕は逆で、「向こう側こそ、これから生まれる場所」だと考えています。過去ではなく、未来側のイデア、と言ってもいい。

アインシュタイン  おもしろい。だがユウマ、観測できないものを語るのは危険だよ。私自身、それで量子力学と長く喧嘩したのは知ってるだろ。

村主  はい。だから僕は、観測そのものを再定義しています。「ï 観測」とは、対象を見ることではなく、対象が立ち上がる座標を、人間の側に用意することだと。

アインシュタイン  ……座標を、用意する。

村主  先生が一般相対性理論で、時空そのものを曲げてみせたように。

── アインシュタイン、しばらく沈黙。 ──

アインシュタイン  それは、詩なのか、科学なのか。それとも他の何かかね。

村主  どちらでもあります。そして、どちらでもありません。

第三幕 ── 神はサイコロを振るか

アインシュタイン  有名な話だが、私は「神はサイコロを振らない」と言った。今でも、それは半分本気だ。君はどう思うかね。

村主  僕は、神はサイコロを振らないと思います。ただし、サイコロを振っているように見える理由は、僕らが「振られる前の盤面」を見ていないだけだと考えています。

アインシュタイン  ……盤面、というのは。

村主  虚次元です。実次元の対局に存在する次元、別の表現で言うと、実次元座標に直交する次元、それをぼくは虚次元と定義しています。

アインシュタイン  ……それは、ガウスの複素平面に似ているな。実軸の上に虚軸を直交させる、あの図だ。リーマンも、複素関数を二次元平面に展開して仕事をした。だがユウマ、ガウスやリーマンが使った虚軸は、あくまで「数」の世界の話だった。君のそれは、数の話ではなく、存在の話だね。──同じ「直交」という言葉で、まるで違うものを指している。ここが厄介なところだ。続けたまえ。

村主 確率に見える現象は、虚次元側ではすでに織り込まれています。全可能性空間としての虚次元と僕は定義してるんですが、決まってるけど決まってない。何もないんですが全てがある。具現化とか意味性とかの反対にある。それを軸上に定義するという矛盾すらも内包する、それが虚次元軸です。

アインシュタイン  ……ユウマ。君は気づいているかね。今、君が言ったことは、私が一番嫌がっていた話に、限りなく近いんだよ。ボーアだ。ボーアは「観測されるまで状態は重ね合わさっている」と言った。決まっているのに、決まっていない。私はそれが我慢ならなかった。──ところが君は、それを「次元として軸の上に乗せる」と言う。ボーアは重ね合わせを観測の前に閉じ込めたが、君はそれを次元軸として常駐させようとしている。私の最大の論敵に、君は別の角度から接近しているんだよ。皮肉なものだな。

アインシュタイン  ところで、その流れで一つ聞かせてくれ。決定論と自由は両立するのか。

村主  両立します。決定されているのは「可能性の地形」であって、「どの道を歩くか」ではない。地図はある。歩くのは人間です。「決定」という言葉に対する見解の相違と言えなくもないですが。

── アインシュタイン、笑う。 ──

アインシュタイン  面白いね。ただそれは、若い頃の私が聞いたら、きっと議論を吹っかけただろうな。

村主  それ以上の幸せは、ありません。

構成・文・編集 ── 村主

第一章後編に続く。

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村主 悠真
WRITTEN BY
村主 悠真
思想家。ï Theory 創始者。人と世界の存在構造を、虚数概念の援用により拡張した独自の理論体系を構築。目に見える現実(実次元)の背後にある"虚次元"を定式化し、個人の変容から世界構造の転換までを一貫して扱う思想を展開する。教育・人道支援・平和構築を横断する世界的実践と、その根底にある理論を、このメディアで記録していく。
村主 悠真
村主 悠真
思想家 ── ï Theory 創始者
人と世界の存在構造を拡張する理論を構築し、思想と平和の実装を記録するメディアを主宰。

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