行動力の重要性が上がっていくAI時代── AIで頭の差が消えたあと、最後に残るもの
この記事は、AI時代に何が人の差になるのかについて考察します。
結論から言うと、思考力や発想力といった「頭の部分」では、もう差がつかなくなります。
最後に圧倒的な差を生むのは、いかに動けるか。つまり行動力です。
そしてその行動力は、根性ではなく論理によって解放できます。
思考力、発想力、行動力。人の能力を並べると、だいたいこのあたりが出てくる。
これまでは、どれを磨いても武器になった。でも、ここに来て明らかにバランスが崩れ始めている。
頭の部分で、差がつかなくなる
企画を考える。アイデアを出す。筋の通った戦略を組む。これまでは、そこに人の差が出た。賢い人、発想の豊かな人が、それだけで抜けられた。
いまは、AIに聞けば数十秒で何十案も返ってくる。しかも、かなりのクオリティだ。誰が聞いても、だいたい同じ水準のものが手に入る。
誰でも手に入るものは、差にならない。思考力や発想力が要らなくなるわけではない。ただ、それだけでは差別化できなくなる。脳的な部分が、急速に横並びになっていく。
最後に残る差は、いかに動けるか
では、何が残るのか。いかに動けるか、だ。
頭の中にあるものは、動かない限り、実次元には一ミリも降りてこない。実次元とは、目に見えて触れられる、この現実の側のことだ。案がどれだけ美しくても、そこに着地しなければ、存在しないのとほとんど変わらない。
同じ案をAIから受け取った人が百人いても、実際に手を動かすのは、たぶん一人か二人だ。案の質が横並びになるほど、その一人か二人の価値は相対的に跳ね上がる。行動力の重要性が極大化していくというのは、そういう意味になる。
基本は、企業が全取りする時代
ここは甘く言わないほうがいい。基本は、リソースと人材を抱えた企業が全取りする時代になる。
AIは増幅装置だ。持っている資本と人と情報が多いほど、増幅される量も大きくなる。大きいものが、さらに大きくなる構造になっている。
以前、個人を最も巨大化できる時代だと書いた。それと矛盾するようで、矛盾しない。全体の重心は企業の側に寄っていく。その上で、個人が入り込める余地は、隙間にしかない。
隙間は、見つかった瞬間に埋まり始める
もちろん、どんな時代にも隙間はある。問題は、その隙間が見つかる速度が跳ね上がることだ。
自分が見つけた隙間は、同じAIを使っている誰かも、ほぼ同時に見つけている。大企業も見つけている。昔なら年単位であった猶予が、月単位、週単位に縮んでいく。
だから「もう少し考えてから」は、そのまま「やらない」と同じ意味になる。隙間を取れるのは、見つけた人ではない。見つけて、先に動いた人だけだ。
今が、最後の分岐点
今動くか、動かないか。僕は、今が重要な分岐点だと思っている。
構造が固まりきる前の、いまのような移行期にだけ、個人が入り込める隙間が開く。全取りの構造が出来上がってしまえば、そこへ割って入るのは格段に難しくなる。
動いた人と動かなかった人の差は、これから一年ごとに、取り返しのつかない幅で開いていくはずだ。
行動力は、論理で解放できる
ここまで読んで、でも自分には行動力がない、と思った人もいると思う。
行動力は、性格でも根性でもない。ほとんどの人が動けないのは、動くコストが大きく見えて、動かないコストが見えていないからだ。能力が足りないのではなく、計算の前提がずれているだけだ。
いまは、何かを試すコストが極端に下がっている。コードを書けない人が毎日アプリを作れているように、一日あれば形にできることが山ほどある。試すコストは下がり、動かないコストは上がっていく。この二つを並べて置けば、動かない理由は論理的に消えていく。
だから、気合いで自分を奮い立たせる必要はない。論理で、行動力を解放する。もともと持っているものを、閉じ込めていた前提から外すだけだ。
いま、考えるだけで止めていることを一つ思い浮かべてみてほしい。
それを、今日のうちに一歩だけ動かす。分岐点は、たぶんそれくらい小さな形をしている。
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