何かを記述する人が同時に負っている二つの責任。
第一の責任は、現時点で実次元として捉えられている構造をできるだけ精確に記述すること。
第二の責任は、その記述が閉じないこと、必ず虚次元という余剰が伴うことを明示的に認め、保留すること。
後者は前者の補足ではなく独立した責任にあたる。
「ここまでは分かっている」と書ききるのが第一の責任、「ここから先には、まだ書けない領域がある」と保留するのが第二の責任。
後者は、第一の責任を完遂したと錯覚することへの構造的な防御として機能する。
研究・診断・評価・設計のような実次元寄りの実践でも、詩作・瞑想・宗教実践のような虚次元寄りの実践でも適用される。
疑似理解(no.036)が陥る「分かった気」の構造的対極にあり、宙層浮待(no.035)の理論的基盤を与える。