実時間軸tに直交する独立した記述軸it。
現在の経験には、いま起こりつつある位相に、過ぎ去りつつある位相と来たるべき位相とが重なり合っており、この位相の共存はt軸上の前後関係には還元されない。
虚時間はこの共存を位置づける軸であり、時間の十全な記述はT = t + itの二次元構造として与えられる。
ウィック回転やHartle–Hawking無境界仮説の虚時間が実時間の解析接続として技法的に導入されるのに対し、本概念はtと独立した記述軸として要請され、両者は競合せず異なる記述層において直交する。
itの実在を主張するものではなく、tの記述が単独では閉じないという記述上の事態に基づく。
虚時間瞑想はこの軸への意識接続を目指す実践である。