no. 096
Ⅳ. 存在論・時間論 哲学・思想 認知・思考操作

短期的非合理・長期的合理 ( たんきてき-ひごうり・ちょうきてき-ごうり)

Short-term Irrationality / Long-term Rationality

ある選択が、短い時間軸では損失・非効率・不整合として観測され、長い時間軸では最適解として反転する現象。
合理性とは静的な属性ではなく、評価する観測者の時間射程に依存する関数 R(t) であるという立場を含意する。
教育・研究開発・子育て・慈善・健康・関係性構築・基礎理論への投資など、人生と社会の重要な意思決定の多くは、この構造を持つ——一年単位では割に合わず、十年・百年単位ではじめて回収される場合がある。
逆に「短期的合理の連続」は、長期的にはしばしば最も非合理な軌跡を描くことがある。
何もしないこと・最適化を続けること・既知の構造内で正しくあり続けることは、時間が経つほど積分的に損失を拡大させうる。
これに対し「戦略的非合理」は、この時間軸反転を意図的に・設計的に・先読みして引き起こす規範的・戦略論的概念であり、本項目を前提として成立する。